「起きる時間」をそろえるだけ。50代の疲れが抜けない本当の理由

健康習慣・時間術

寝ているのに、なぜか疲れが残る

しっかり寝たはずなのに、朝すっきりしない。休日に思い切り寝だめしても、月曜になるとかえってだるい——。50代になると、こんな声が一気に増えてきます。実際、厚生労働省の調査でも、睡眠で十分に休養がとれていないと感じる人の割合は40代がもっとも高いと報告されています。50代はそのすぐ次に位置していて、働き盛りから中高年にかけては睡眠の悩みを抱えやすい世代だといえます。

原因は「睡眠時間の長さ」だけではありません。カギを握っているのは、意外にも「毎日の起きる時間」なのです。

体内時計は、朝の光でリセットされる

私たちの体には約24時間周期の体内時計が備わっています。この時計は、朝に太陽の光を浴びることでリセットされ、そこから約15時間後に自然な眠気が訪れる仕組みになっています。

神奈川県の健康情報でも、朝はできるだけ午前6〜7時に起きて光を浴びること、そしてそれを1週間以上続けると、夜10〜12時ごろに自然と眠れて寝起きもすっきりしてくると紹介されています。つまり、良い眠りは「夜どう寝るか」より先に、「朝どう起きるか」で決まってくるのです。

50代以降は、加齢とともに体内時計そのものが少しずつ前倒しになります。早朝に目が覚めやすくなるのはそのためで、これは加齢に伴う自然な変化とされています。ただし、強い眠気や気分の落ち込みをともなう早朝覚醒が続くときは、別の原因が隠れていることもあるので、その点だけは頭の片隅に置いておいてください。だからこそ、起きる時間の軸をぶらさないことが、若い頃以上に効いてきます。

「休日の寝だめ」が、かえって疲れを呼ぶ

見落とされがちなのが、平日と休日で起きる時間が大きくずれる「社会的時差ぼけ(ソーシャル・ジェットラグ)」です。ドイツの時間生物学者が提唱した概念で、休日の朝寝坊によって体内リズムが乱れ、海外旅行の時差ぼけと似た状態になることを指します。

ある研究では、週末に朝寝坊をした翌週は、しなかった週に比べて眠気や疲労が強く、とくに月曜・火曜に強く出たと報告されています。筑波大学の研究機構が就業者約8万人分の睡眠記録を解析した調査でも、平日と休日で睡眠リズムが大きくずれている人ほど、日中のパフォーマンス低下が目立つことが示されました。

「平日の睡眠不足は休日に取り返せばいい」——実はこの発想こそ、月曜のだるさを生む一因なのです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、長く寝ても失った睡眠は取り戻せないと指摘されています。

今日から試せる、たった3つのこと

難しい道具も費用もいりません。まずはここから始めてみてください。

一つ目は、平日も休日も起きる時間の差を1〜2時間以内に抑えること。「休日は昼まで」をやめるだけで、月曜の重さが変わってきます。二つ目は、起きたらまずカーテンを開けて光を浴びること。曇りの日でも屋外の光には効果があります。三つ目は、成人の目安とされる6時間以上の睡眠を確保すること。ただし高齢期は必要な睡眠時間が短くなるので、寝床で頑張りすぎないことも大切です。

まとめ

50代の「抜けない疲れ」は、気力や体力の衰えというより、体内時計のリズムの乱れが隠れていることが少なくありません。睡眠は、量だけでなくリズムで整えるもの。まずは明日、いつもと同じ時間に起きて、光を浴びる。その小さな一歩が、一週間後のあなたの朝を軽くしてくれるはずです。

※本記事は一般的な情報であり、特定の効果や健康改善を保証するものではありません。睡眠の不調が続く場合は医療機関にご相談ください。

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