「年収1000万円の副業」と書いた1年前の自分に、いま言いたいこと
1年ちょっと前、私はこのブログで「AI副業で年収1000万円を目指す」という記事を書きました。
いま読み返すと、正直、顔から火が出ます。
「2025年がAI副業を始めるラストチャンス」「短期間でスキルを習得すれば年収1000万円も夢じゃない」――そんな威勢のいい言葉が並んでいて。書いた本人としては、当時はそれなりに本気だったんですよね。AIの波が来ているのは間違いないし、乗り遅れたくない、という焦りもあった。
でも、です。
あれから1年、実際に手を動かしてきた自分から見ると、あの記事はちょっと――いや、だいぶ背伸びしていたなと思うんです。
今日は、その背伸びをした過去の自分へのツッコミも込めて、「副業の目標額」について考え直したことを書いてみます。とくに、私と同じように、個人事業主だったり、数名規模の小さな会社をやっていたり――いわゆる「一人親方の社長」みたいな立場で副業を考えている方に、届けばうれしいです。
なぜ「1000万円」と書いてしまったのか
振り返ってみると、あの頃の自分は、大きな数字を掲げることでモチベーションを保とうとしていたんだと思います。
会社の経営が苦しくて、借金もあって、なんとかV字回復したい。その気持ちが強いほど、目標は大きくなっていく。「月5万円を目指します」より「年収1000万円を目指します」のほうが、書いていて気持ちがいいんですよね。読んでくれる人にも夢を見せられる気がする。
でも、いま思うと、あの「1000万円」は、ただの背伸びじゃなかった気がするんです。
あれは、本業一本に全部を賭けている怖さを、一発逆転でいっぺんに消そうとした数字だったんですよね。
会社員の方の副業と、私たちみたいな立場の副業って、出発点が少し違うと思っていて。勤め人なら、副業は「給料にプラスする」話です。でも一人親方の社長にとっては、本業そのものが不安定なんですよ。受注が途切れれば収入はゼロにもなるし、入金が来月にずれただけで資金繰りが苦しくなる。本業という一本の柱に、生活も、社員の給料も、全部ぶら下がっている。
その不安が大きいほど、「一発で全部ひっくり返す数字」に惹かれてしまう。私の「年収1000万円」は、まさにそれでした。
大きすぎる目標は、最初の一歩を重くする
でも、大きすぎる目標には落とし穴がありました。
最初の一歩が、ものすごく重くなるんです。
「年収1000万円」と書いた瞬間、頭の中では月80万円以上稼ぐ自分を想像しなきゃいけない。でも現実の自分は、初めての案件で数千円もらえるかどうか。このギャップが大きすぎると、人は動けなくなる。「どうせ無理だ」と心が折れる前に、そもそもスタートが切れない。
私自身、あの記事を書いたあと、しばらく何も手につかなかった時期がありました。掲げた目標が大きすぎて、何から始めればいいのかわからなくなっていたんです。
しかも、経営者にとってこれは、ただ動けないだけでは済みません。一発逆転を狙っている間も、本業の谷は容赦なくやってくる。「来月の入金が薄い」「今期は受注が読めない」――その現実は、1000万円の夢を見ている横で、淡々と進んでいくんですよね。
目標を「月5万〜10万円」に下げたら、急に動けた
転機になったのは、目標額を思いきり下げたことでした。
年収1000万円、つまり月80万円超。これをいったん忘れて、「まずは月5万円、いけたら10万円」に設定し直したんです。
そうしたら、不思議なくらい体が動くようになりました。
月5万円なら、やり方が具体的に見えてくる。たとえば1文字1円のライティング案件なら月5万文字くらいが1つの目安。フードデリバリーなら、時給1,000〜1,500円として月40時間前後で届く計算になる。数字が現実的だと、「じゃあ今週は何をどれだけやろう」というところまで落とし込める。
これが「年収1000万円」だと、こうはいかないんですよね。あまりに遠すぎて、今週やるべきことに分解できない。
そして、ここからが経営者目線で大事なところなんですが――月5万〜10万円という数字は、私たちの立場には、2つの意味でちょうどよかったんです。
1つめ:本業の「谷」を埋める支えになる
1つめは、本業の谷を埋める支えになる、ということ。
一人親方の商売は、月によって波があります。受注が重なる月もあれば、ぽっかり空く月もある。問題は、空いた月の固定費は変わらないことです。家賃も、社員の給料も、待ってはくれない。
このとき、月5万〜10万円の副収入があるかないかは、想像以上に効きます。10万円で本業の谷が全部埋まるわけではない。でも、「今月あといくら足りない」という胃の痛む感覚が、少しやわらぐんですよ。谷の月に、深呼吸が1回多くできる。経営判断を、焦りでなく落ち着いて下せる。その差は、金額以上に大きいと感じています。
しかも副業の種類によっては、谷の月こそ動ける、というものもある。本業の受注が薄い週は、その分フードデリバリーに出る時間が作れたりする。本業と副業の波が、うまく逆になってくれることがあるんですね。
2つめ:「一本足打法」のリスクを少しずつ崩す
2つめは、もっと長い目で見た話です。本業という一本の柱に全部をぶら下げている状態――いわば一本足打法のリスクを、少しずつ崩していける。
これは、急にはできません。だからこそ「月5万〜10万円」なんです。
いきなり「第二の柱で年1000万円」を作ろうとすると、本業がおろそかになるか、副業に無理な投資をして共倒れになるか、たいていろくなことになりません。私が1000万円を掲げて動けなくなったのも、根っこは同じです。
でも、月5万円を地道に積み上げて、それを月10万円にし、別の収入源を1つ、また1つと細く増やしていく。そうすると、ある時点でふと気づくんです。「本業が一ヶ月止まっても、すぐには死なないな」と。これは、経営者にとってかなり大きな安心です。柱が2本あるだけで、一本にかかる重みが変わる。本業の交渉でも、無理な仕事を断れるようになる。
一発逆転の1000万円では、この安心は手に入りませんでした。コツコツ積んだ月5万円のほうが、結果的に、本業の足腰まで強くしてくれたんです。
月5万〜10万円なら、選択肢はちゃんとある
では、私たちのような立場で何を選べばいいか。月5万〜10万円のレンジなら、選択肢はけっこう豊富です。大きく4つのタイプに分かれます。
1つめは、在宅スキル系。ライティング、ブログ・アフィリエイト、動画編集、Webデザインなど。継続するほど実績と単価が積み上がりやすく、立ち上がりは遅いけれど、育てば資産のように効いてくる。これは「第二の柱」を作る長期戦に向いています。本業のスキルと地続きにできる人なら、なおさら強い。
2つめは、在宅ライト系。データ入力や文字起こし、事務系の代行など。比較的始めやすい反面、単価は低めになりがちなので、件数や稼働時間で補う発想が要ります。すきま時間に少しずつ、というタイプですね。
3つめが、ギグワーク系。フードデリバリーや家事代行など、スキマ時間を現金化しやすいタイプ。在宅以外の選択肢としては一番現実的で、私自身もここはかなり実体験があります。これはまさに「谷を埋める」のに向いている。本業が薄い週に動けば、即、現金になる。読めない月の、即効性のある支えです。
4つめが、AI・SNS系。SNS運用やAIを使ったコンテンツ制作など。2026年のいまは成長分野として注目されていて、継続契約が取れると月額収入にしやすい。これも「柱」候補になり得ます。ただ、ここに「年収1000万円」を期待しすぎると、1年前の私の二の舞になります。あくまで月5万〜10万円の積み上げの1つ、という温度感で見るのがちょうどいい。
谷を埋めたいなら即効性のあるギグワーク系から、柱を増やしたいなら積み上がる在宅スキル系やAI・SNS系から。自分のいまの不安が「今月」なのか「この先」なのかで、入口を選ぶといいと思います。
大きな数字より、続けられる数字を
1年前の自分に、いま言えることがあるとしたら、これです。
「その1000万円、今週の行動に分解できる? それで本業の谷は埋まる?」
分解できない目標は、掲げた瞬間は気持ちいいけれど、たいてい続きません。私がそうでした。そして経営者にとっては、続かない夢を見ている間にも、本業の現実は進んでいく。
月5万〜10万円という数字は、地味です。1000万円に比べたら、見栄えもしない。でも、この地味な数字のほうが、本業の谷を埋め、2本目の柱を育て、結果的にずっと遠くまで連れていってくれる。七転び八起きって、一発逆転のことじゃなくて、転んでも立ち上がれる程度の高さから始める、ということなのかもしれません。
もしあなたが今、本業一本の不安を抱えながら、大きな数字に惹かれて、でも一歩が踏み出せずにいるなら。いったん目標を、笑っちゃうくらい小さくしてみてください。動き出すのは、たぶんそこからです。
このブログでは、副業やFXで私がたどり着いた「考え方」を中心に書いています。一方で、実際にやらかした失敗や、進行中のリアルな記録は、noteのほうに生ログとして残しています。「結論」より「途中経過」が見たい方は、ぜひそちらものぞいてみてください。
▶ note:KK@副業クロスロード
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