50代の学び直しは「やる気」より「制度」から始める

50代の逆転戦略

関心はあるのに、動けない

セカンドキャリアという言葉が、50代の間で当たり前になりました。定年が視野に入り、このままでいいのだろうかと考える。学び直しにも関心はある。

ところが、実際に動いている人はぐっと少なくなります。40〜60代を対象にしたある意識調査では、リスキリングへの関心は高いものの、行動に移せていない人が多数を占め、その壁として挙がったのが「時間」と「費用」でした。

やる気が足りないのではありません。時間とお金という現実的な壁が、最初の一歩を止めているのです。だとすれば、精神論ではなく制度から入るほうが早い、ということになります。

最大56万円が戻ってくる支援制度

まず知っておきたいのが、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」です。在職中の方がリスキリング講座を受ける際、費用の最大70%、上限56万円が補助されます。この事業は2027年3月まで継続予定とされています。

「補助率70%」というのは、かなり思い切った数字です。30万円の講座なら、実質9万円で受けられる計算になります。費用の壁は、思っているより低くできるのです。

もうひとつ、厚生労働省の「キャリア形成・リスキリング推進事業」もあります。ジョブ・カードを使いながら、キャリア形成やリスキリングの相談を無料で受けられる仕組みです。「何を学べばいいかわからない」という段階の方には、ここが入り口になります。

50代の学び直しは、40代とも、60代とも違う

大事なのは、50代には50代の型があるということです。

40代の学び直しは、今の仕事のスキルアップが中心になります。60代は、セカンドキャリアそのものの準備が中心です。では50代はというと、その両方を同時にやる年代だと言われています。今のポジションでの価値を保ちながら、次の段階の準備も並行して進める。ここが難しさであり、同時に強みでもあります。

というのも、50代にはすでに実務の実績があるからです。ゼロから資格を取って勝負するより、これまでの経験に一つプラスする形のほうが、はるかに市場価値につながりやすい。営業経験にデジタルの知識を足す、経理経験にデータ分析を足す。掛け算で考えるのがコツです。

「定年後に考える」では遅い理由

セカンドキャリアの準備は50代から始めるべきだと言われるのは、選択肢の数が違うからです。在職中であれば、先ほどの支援制度は使えます。会社の名前で人にも会えます。収入がある状態なので、失敗しても致命傷になりません。

定年後に同じことを始めようとすると、この三つがすべて消えています。制度も、人脈も、経済的な余裕も。同じ学び直しでも、条件がまったく違うのです。

まずは今週、支援事業のサイトを開いて対象講座を眺めてみる。それだけでも構いません。行動のハードルは、思っているより低いところに設定していいのです。

まとめ

50代の学び直しは、覚悟の問題ではなく段取りの問題です。使える制度を知り、経験に一つ足す形で設計する。在職中の今こそが、いちばん条件のいいタイミングです。


※本記事は一般的な情報であり、制度の適用可否や補助額は個別の条件により異なります。最新の要件は各公式サイトでご確認ください。

参考

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